
好きなことで起業する
目次
すべてはつながっている
IE卒業後に就職したGoogleでは、営業やマーケティング、プロダクトセールスを担当し成果を上げていきました。その中で成長分野ならではの悩み、すなわち、自分がやったこと以上に成果がどんどん上がっていくことについて、徐々に焦りを感じていきました。とにかく、自分がしたことの結果が直接わかることがしたかった。成長している市場を感じる一方で、キャリア的に危機感を持っていました。
そこで友人と起業する為に、自分たちが出来ること、好きなことを考えた結果、輸入食材のECの会社を作りました。でもこれが実際やるとものすごく大変。そして、僕のビジネスパートナーは物流に課題を見つけ、自分で物流の会社を立ち上げたんです。お互いハッピーな形で別の道へ進みましたね。実は彼のところに今、IEの後輩がCFOで入っています。
僕は僕で、食材ビジネスの分野で頑張りたかったので続けていたら、先述のNEWMANのテナントの話があり、今に至ります。だから、全部つながってるんですよ。
――これまでのテック系企業とは全く違いますね。
コーヒービジネスって今どきのビジネスなんです。インターネットがくる前の時代って情報と物流の観点から、こういう小さいビジネスって難しかったんです。でも今は物も情報も豊富にあるので、小規模でも色々できるようになって、会社としてちゃんと利益を出せるし、農園もハッピーになる。農園と街をつなげる。それが僕らのキーコンセプトなんです。
IEで同じグループにいたイタリア人クラスメートはLAVAZZAのアメリカ支社長に就任、別のクラスメートはブラジルで有数のコーヒーチェーンのオーナーに、さらにドバイの友人が今サードウェーブコーヒーショップを立ち上げていて、IEの中でもコーヒー業界のつながりが濃いです。
VERVEのビジネスも、足が長いビジネスで、自分のライフスタイルともつながっているからこそずっと続けられると思っています。
IEは価値観をリセットできた場所
IEは、自分の価値観をリセットして学び直せた場所ですね。英語圏でもなく、いわゆるエリートっぽくない環境なので、自由になれた気がしました。そこでリセットして、知識も入れ直して、人間関係も構築し直して。サラリーマン時代に自分の中で凝り固まったものが解放されていく感じがしました。その後、いわゆるPost MBAらしい仕事を選ばず、自分のやりたい方向をもう一度見つめ直す、そういう人間になれたと思いました。
MBAで学んだ技術的なことは今でも使いますが、リセットして学び直せたことが一番大事でした。アントレプレナーシップや国際ビジネスについても学んでいましたし、コーヒーは中南米産地多い。IEから結構色んな影響受けてますね。
MBA受験生へのメッセージ
人生の経験として留学って良い投資。投資対効果で考えるとプラスかどうかわからないけど、人生の経験としてすごく良い。あの国際的で多様性豊かな環境、濃厚で貴重な一年。それまでの価値観をリセットして別のことを入れ直すと違う景色が見えて、自分らしくいられる。キャリアって自分が思っている以上にもっと自由なもののはずだから。選択肢は無限です。