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IE Business School Japanese Alumni Chapter | 目の前の点をつなぎながら歩むMBAと起業
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目の前の点をつなぎながら歩むMBAと起業

Aug 04 2021

目の前の点をつなぎながら歩むMBAと起業

2013年12月にIEを卒業し、挑戦者人口の最大化をモノ作りから支援することを目指してメゾン品質のスニーカーブランド「ba2 (ビーエーツー)」を立ち上げられた、内藤正徳さんにインタビューしました。

内藤 正徳さん
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    ba2は、ハイブランドのスニーカー製造も担う欧州の職人によるメゾン品質のレザースニーカーを、直接お客様にお届けするプレミアムブランドです。最高品質のレザースニーカーを通し、挑戦者を力付けたいと思っています。

     

     

    商品開発、新規事業企画、そして起業へ

     

    私のキャリアは、日産自動車から始まりました。約7年半、電気自動車や世界15カ国の商品企画を担当していました。自動車は耐久財でありながら嗜好性もあるので、商品企画で如何に機能的価値のみならず情緒的価値を高めるか企画するのが面白かったです。

     

    その後、IEのInternational MBAを経てリクルートに転職し、新規事業開発部にて「見守りサービス」を社内起業コンテストで発表しました。金賞を取って事業化が決まり、面白くなってきたところにIE University卒業生の起業家から「シュマッツ」への誘いが来たんです。日本で展開するにあたって、英語ができ、キャリアがあって、迷った時に一緒に協力できるマインドセットを持った日本人が欲しいという要望でした。

     

    当時ドイツ人創業者メンバー達はフードトラックでソーセージを売っていました。リクルートも非常に面白かったですが、IEに行ったからこそ降ってきたチャンスに人生をかけた方が面白そうなのと、大企業の中での新規事業ではなく、一から立ち上げるビジネスに携わりたいと思って参画を決めました。

     

    お金を集めて日本で店舗を探し、デベロッパー、サプライヤー、従業員採用を行い、最初の店舗となる赤坂店をオープン。約2年半で3店舗を立ち上げ、従業員を100人程増やしました。シュマッツは様々な試行錯誤を繰り返し、現在のビアダイニング業態になりました。今では40店舗近くまで増えています。

     

     

    振り返ると、IEへの留学は良い決断だったと思います。日産という大企業を離れたら何者でもなかった私がIEで学んだことで、興味をもっていただき、様々なチャンスをいただけるようになりました。IEのアントレプレナーシップに注力したカリキュラムが間違いなく、私のメンタリティを変容させました。具体的には「Embrace Ambiguity (曖昧なものを受け入れる)」というマインドセットや、走りながら(事業を推進しながら)考えることの重要性でしょうか。

     

    その後、シンガポールベースのREAPRA(リープラ)というインキュベーター/事業開発会社に半年ほど参画しました。素晴らしいメンバーたちが、次のビジネス、もしくは自分たちが投資する会社に対して再現性を持って成長させるためにどうしたらいいか研究している会社です。ここでの経験も最高でした。
     

    そんな中、私のキャリアに興味をもってくれたプラスチックメーカーの社長直下プロジェクトにお誘いいただき、外国のスタートアップと提携した新ビジネスの立ち上げをすることになりました。スタートアップとカルチャーが合い、言語の壁を越えて、事業展開できる人を探していました。

    その後、社内で新規事業をいくつか立ち上げました。その1つがガジェット周りのプレミアムレザーブランドです。レザーブランドは一見プラスチックと全然関係ない商材です。既存のB2B事業に影響を与えない領域からビジネスを成功させ、そのノウハウを応用することを目指しています。具体的には、ウェブマーケティング、クリエイティブの作り方、ECオペレーション、カスタマーサポート、ロジスティックスなどです。

     

    ここでのインターネットを活用したモノづくり直販(いわゆるD2C)に可能性を感じて、ba2を立ち上げました。(ba2公式ページ)

     

     

    ba2のブランド名に込めた思い

     

    今回起業するにあたってプレミアムスニーカー市場を選んだのは、市場の変化です。

     

    最近はビジネスアタイアがどんどんカジュアルになっています。今までは10年、20年使うつもりで高級な革靴を買う方もいましたが、ビジネスだけでなくプライベートでも履けるレザースニーカーの方がお金をかける価値があると感じてもらえるのではないかと考えました。

     

    これまでのスニーカーではスポーティすぎるし、フラットなソールでは背が低く見てしまいます。スニーカーのクリエイティブさや変革の雰囲気を残したまま、品格を持たせ、履き心地もいい商品が手に取りやすい価格で販売されていることがあまりないことに気付き、スマートな流通構造を作れば実現できるんじゃないかと思いました。

     

    靴業界は、メーカー、卸し、エージェント、百貨店と、お客様に届くまで重層構造で在庫管理が難しく、それが価格に反映されています。ba2はそこを最適化し、最大の価値を届けたいと思っています。

     

    ba2というブランド名は、お客様に届くまでの構造がABCDEの5つあったとしたら、直接AとBをつなぐという意味です。Bというお客様を第一に考えたいという思いで「BA」にしました。日本の社会で失敗に対する許容度を上げたいので、あえて✕(ばつ)という失敗を意味するブランド名にしています。靴業界を変革(1.0→2.0)させたいという思いも込めています。

     

     

    Connecting the dots

    こちらを読まれている方の中には、留学を迷われている方もいるのではないでしょうか。私はおかげさまで、スペイン留学時代ネットワークのおかげで、ハイブランドのスニーカー製造も担うポルトガルの工場で製造することができました。

     

    海外MBA留学の価値は人それぞれだと思いますので、絶対的なものではないと思います。ですが、キャリアを因果関係で導くのは難しい変化の多い時代だと思いますので、大事なのは自分がした決断を、意地でも成功に導くマインドセットではないでしょうか。本日はありがとうございました。

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