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IE Business School Japanese Alumni Chapter | 愛犬との暮らしを豊かにするため起業
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愛犬との暮らしを豊かにするため起業

Jun 20 2023

愛犬との暮らしを豊かにするため起業

2013年International MBA卒業後、ベンチャー投資や新規事業開発に携わり、丸紅米国事業会社のCFOとして事業会社経営に従事した後、Buddycare株式会社共同設立された原田さんにお話を伺いました。

 

原田 和寿さん
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    MBA前はどんなキャリアでしたか?

    総合商社で、財務経理からキャリアをスタートし、数字の基礎を叩き込んでいただきました。ここでの基礎が、後々のキャリアに大きく影響しています。その後、商業用プリンターのトレーディングや、海外販売ネットワークの構築、新規事業開発を経て、IEに行きました。

     

     

    数あるMBAからIEを選んだ理由

    事業を作る、という事を学びたいというのが一番の理由です。いわゆるスタートアップのBusiness developmentに力を入れている学校は、特に欧州MBAでは珍しく、その関連で毎週行われているピッチイベントも魅力的でしたし、スタートアップのBizdevに惹かれて集まるメンバーに囲まれるということも、重要な要素だったと感じています。学んだことを直ぐにビジネスで活かしたいという想いもあったので、13カ月のプログラムも適していたと思います。また、人生の中でせっかく1年半近い時間を過ごす街ですので、家族と一緒にプライベートも楽しめるという観点でも、スペイン・マドリードのメリットは大きかったと思います。

     

     

    IEで学んで何が変わりましたか

    人生の価値観に影響を受けたというのが、一番の意義だったと感じています。日本の中で新卒で働き始め、転職したとしてもある程度同じような環境の中でそのまま進んでいた時に、コンフォートゾーンを抜け、全く違う環境に飛び込んでみたら、そこには、「自分がやりたい事・解決したい課題」を強烈に持っているメンバーが沢山いました。新卒の時は主語が「自分」だったのが、気づかないうちに、主語「会社」で考えることが多くなってきていた時期だったので(振り返って気づいたことですが)、強烈に主語「自分」で、やりたい事に突き進む人たちに囲まれたことで、「人生って、やりたい事をやっていいんだ」という当たり前のことを当たり前に考えられるようになったというのが、一番の収穫だったと感じています。

    同時に、とんでもない量のペーパーを読み込んだり、プレゼンでスリップして真っ白になったり、嫌な想い出も沢山増えましたが…。

     

     

     

     

    現在の事業~愛犬のヘルスケア

    愛犬のヘルスケアを改善するため、Pettech系のスタートアップBuddycareを創業し、現在3期目に入りました。

     

    IEで感じた「やりたい事をやっていい」に従い、長年一緒に暮らす愛犬に、一日でも長く健康に暮らして欲しい、という想いに従いBuddycareを創業しました。

     

    近年、愛犬の死因のほとんどが、人間と同じように生活習慣病に起因するものになってきました。人間の場合、いかにかからない様にするか、という予防・未病がとても大切で、それは愛犬の場合も同じです。ですが、愛犬の場合は健康管理に関するデータが全く蓄積されておらず、どの様な健康管理や生活習慣であればかかりにくくなるのか、という事を分析する方法すら存在していないというのが現実です。そのため、健康管理データや生活習慣のデータを蓄積しつつ、データに基づき、それぞれの愛犬に合ったヘルスケアソリューションを包括的に提供していく事を目的に、事業開発を進めています。現在、愛犬の健康管理データを取得の仕組みを作りつつ、動物病院や獣医学部と協力し、データを活用したヘルスケアソリューションを開発・提供しています。ソリューション開発では、フードの開発をしたり、アプリケーションの開発をしたり、と多岐に渡ります。

     

    IE卒業後、引き続き総合商社で、新規事業開発やベンチャー投資といった新しい事業を作る仕事をしていましたが、ペット領域の経験はほとんどありませんでした。立ち上げ時のスタートアップでは、専門性に関係なく、全ての業務に関わりますし、多くのことを社外リソースに協力してもらいながら進めていきますが、この点が、“何も持たない”商社での事業開発と類似したところが多く、特にプロマネの経験は、今の仕事にかなり活かせていると感じています。

     

     

     

     

    現在の事業を始めたきっかけ

    一緒に暮らす愛犬のロッティ。長年一緒に暮らすうちに、ペットではなく、完全に家族の一員になりました。一方で犬は、人間の5倍7倍のスピードで生きていると言われており、それを考えた時、「1日」という数字の重みを強く感じるようになりました。自分が何かアクションを起こすことで、この「1日」を少しでも豊かなものにできるのであれば、という想いで、Buddycareを創業しました。相棒(Buddy)である愛犬の健康をケアしたいという想いで、社名をBuddycareにしました。

     

    Buddycareのソリューションの一つとして、フードのD2C事業(Buddy FOOD)がありますが、手前味噌ながら、世界で一番いいごはんだと自負しています。だからこそ、ほんとうに安心してごはん食べさせてあげられることや、ロッティが美味しそうにごはんを食べてくれるのを見られるだけで、この起業は正しかったな、と思えますし、涙が出るほど嬉しく、胸が熱くなる瞬間です。

     

    MBA的には正しいアプローチではないかもしれないのですが…僕の場合は、市場が伸びそうだ、とか、事業性がありそうだ、という検証よりも、想いが先行した起業でした。起業自体はさほど重要ではなく、総合商社の中で目指すものが目指すスピードで実現できるのであれば、その方がやりやすかったかもしれません。最終的に、より良い形で実現するためには起業が最適な形だと判断したため、起業しました。

     

     

     

     

    今後の目標

    Budddycareのミッション、「世界中の愛犬が一日でも長く健康に暮らせる社会を実現する」。これに、僕の社会人人生の全てを注ぎこみます。それが僕の目標であり、やりたい事です。

     

    人生をかけたいと思えるテーマに出会えたことは本当に幸せなことだと感じていますが、出会えたら想いに従っていいんだ、という事を教えてくれたIEでの経験があってこそかもしれません。そして、その出会いを作ってくれたロッティは、本当に僕の人生のBuddyだな、といつも感謝しています。

     

     

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