
MBAで出会った仲間とのサーチファンド立ち上げ
目次
現在の事業について
小林さん:
我々はサーチファンドと呼ばれる、投資家から資金を調達して自身が経営する事業会社を1社買収するというビジネスモデルに取り組んでいます。米国ではETA(Entrepreneurship Through Acquisition/買収を通じた起業)がMBA後のキャリア選択として人気を集めており、サーチファンドはその最も典型的なスキームです。スペインは米国に次いでETAのエコシステムが拡大しており、IEの教授陣にも投資家がいたり、選択授業ではETAを専門に扱った授業もあったり、アカデミックな観点からも学ぶことができました。
洲埼さん:
小林さんも述べているように、ETAに特化した授業/教授陣から学ぶ機会は、私たちが行うことそのもので、ためになりました。また、投資家の教授からは投資家観点でのアドバイスをもらい、実際の投資家と話す際の練習にもなりました。
事業を始めたきっかけ
小林さん:
前職で中小企業の経営者の方と一緒に仕事をする機会があり、経営者というキャリアに興味を持ちました。経営者になるのに最も近い方法を探している時にサーチファンドを知り、自分にも達成可能か挑戦してみようとMBAに行く決意をしました。今は会社設立や資金調達など、毎日初めての経験に悪戦苦闘していますが、今後経営者の方とお会いして会社の将来について話し合うことができることを今は楽しみにしています。
洲埼さん:
①前職経験②家庭環境③自身の職業観とフィットしているからです。
①前職で2年間、従業員数15名以下の会社を担当する営業をしていました。社長と日々接する中で、営業として提案するだけでなく、自分自身が経営する側になりたいと考えていました。
②家庭環境で祖父、父、義父など身の回りに経営者が多く、経営に常に関心がありました。
③自身の職業観で、常にファーストペンギンになるよう挑戦したいと考えています。サーチファンドは日本では黎明期のため、飛び込むなら今だと考えていました。
会社員時代では合わないような投資家や経営者にお会いできること、自分たちで決めてビジネスを進められることに面白さを感じています。
起業において大切なこと
小林さん:
ありきたりですが行動することだと思います。具体的にはプロダクトアイデアを試作して投資家に壁打ちしてみるとか、サーチファンドであれば実際にサーチ戦略を練ってみるとか、とにかく具体的な成果物を作って、批判を恐れずにそれを人に見せてアドバイスを乞うことかな、と。興味があっても実際に行動に移す人って10人に1人くらいなので、その時点で頭一つ抜けます。
洲埼さん:
やりたいことを発信し、自分に色をつけることが重要だと思います。発信することで相手が自分のことをそのタグで見てくれるようになります。僕らでいうとサーチファンドをやっていることをクラスメイトによく話していました。サーチファンドといえば僕らであると認識してくれたことで、協力も得られやすくなり活動しやすくなったと思います。出資しようかと言ってくれる友人がでてくる、等々。
どんな後輩にIEを選んで欲しいか
小林さん:
IEの良いところは世間のキャリアの価値観に流されず、国内外問わず独自のキャリアを開拓している人が多いところだと思います。MBAを通じて新しい挑戦がしたいと考えている人にはぜひ選んでほしい学校だと思います。
洲埼さん:
尖った個を持っている方が向いていると思います。同期、卒業生を見渡すとMBA的なキャリアや俗世的な価値観に囚われない人が多く、自分を持っている人が多いです。MBAを踏み台と考えて、自分を前に進めほしいと思います。